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最終更新日 2013年5月23日
NEXUSとは、香港のE.M.S社なるメーカーが作っていた、セガ未公認のドリームキャスト用大容量メモリーカードのことです。4Mbit版と、16Mbit版が出ています。
仕様等を以下に記述しておきます。
4Mbitと言いましても、セガ純正ビジュアルメモリ(1Mbit)の4倍の「800ブロック」として使えるわけではなく、200ブロック*4バンクとして区分けされて使うことになります。
NEXUS本体についている「バンク切り替えボタン」でどのバンクをアクティブにするか切り替えるのですが、ファイル管理画面やゲーム中に切り替えても問題ないので特に不便は感じないと思います。もちろん、NEXUS内のセーブデータにドリームキャスト側がアクセスしている最中にバンク切り替えをするのは御法度ですが。
現在どのバンクがアクティブなのかは、NEXUS上部についているパイロットランプの状態で分かります。
4Mbit版と同じく、1Mbit、200ブロックづつ区分けされているので、200ブロック*16バンクで使います。当時の販売価格だと、ビット単価は圧倒的にこちらの方が優れていました。
アクティブバンクの切り替えは4Mbit版と同じく、NEXUS本体に付いているバンク切り替えボタンを押すことによって行われるのですが、アクティブにするバンクを決定した後、実際に切り替わって使用可能状態になるには約20秒程度かかるので4Mbit版よりも大きく使いづらくなっているのがかなり痛いです。
また、16バンクもあるのに順方向にしか切り替え出来ないのも不親切だと思います。
現在どのバンクがアクティブかは、表示用LEDに0~Fまでの英数字が表示されるので一目瞭然です。また、4Mbit版はDCの電源がオンになる度、NEXUSを抜き差しする度にバンク1が必ずアクティブになるのですが、16Mbit版は前回アクティブだったバンクを記憶している点が優れています。
また、バンクの切り替え中にコントローラからNEXUSを抜いたりすると全てのバンクのデータが壊れ、LEDに「E」が点滅して表示されて使用出来なくなるとのことなのですが、その際のリセット方法がちょっと複雑な操作なのも4Mbit版に比べてハードルが高くなっている感じを受けます。
あと、PCとNEXUSを繋ぐケーブルが付属していますが、16Mbit版の方がNEXUSに繋ぐ部分が抜き差ししやすいです。少なくとも私が買った物は、ですが。
NEXUSは付属のケーブル・ソフトにてOSがMS-Windows95/98/Me/2000/XPのPCと接続し、データのやり取りをすることが可能です。
その場合、PCのプリンタ用のパラレルポート(いわゆるセントロニクスインタフェース)を使って繋げます。
これを書いた当時のPCにはたいてい付いていた端子ですが、2013年現在のPCだと壊滅的です。USBで出していてくれれば…。
DCの方のファイル管理画面で純正VMのデータをNEXUSの方にコピーしておけば、NEXUS以外のVMのデータも事実上バックアップ可能ということになります。
データのアイコンをBMPファイルとして取り出して、PCに保存することが可能です。
当時はインポート屋というサイトや秋葉原などにあるゲームスアークで買えました。ちなみに2001年当時、ゲームスアークでは4Mbit版が3,480円、16Mbit版が4,480円でした。
NEXUSはセガ純正ビジュアルメモリと同様に、使用する前に初期化を行う必要があります。
DCのファイル管理画面でアクティブになっているバンクの初期化をします。全バンクを初期化するには、バンク切り替えボタンでアクティブバンクを切り替え、それぞれに対して行うことになります。
各バンクの初期化の方法自体は同じです。ただ、購入直後やデータ破損した場合は「リセット」をする必要があります。以下に手順を書いておきます。
NEXUSも含めてDCのメモリーカードは、コントローラにきちんと差してある状態でないと初期化は出来ません。
16Mbit版NEXUSは特に認識率自体が低いので、注意する必要があります。初期化が終わって通常使用するようになってからも、「E」の表示が出やすいので、なるべく抜き差しはしない方がいいでしょう。はっきり言って、16Mbit版のNEXUSは低品質です。
どうしても認識してくれなかったり、初期化できない場合は、購入元の方なりに問い合わせてください。
NEXUSはDC標準のファイル画面で、標準VMとデータのやり取りが可能です。ただし、アクティブになっているバンクにしかファイルアクセスは出来ません。
バンク1に入っているデータをバンク3にコピーしたい場合は、
という方法か、PCを介する方法かで行う必要があります。
ちなみに、一時領域に使うVMは標準VMではなく、持っていれば別のNEXUSを使っても大丈夫です。
また、DC標準のファイル管理画面でコピー不可ファイルをNEXUSにコピーすることは出来ませんし、同じくファイル管理画面でNEXUSからコピー不可ファイルを標準VMにコピーすることも出来ません。
ただ、コピー不可ファイルでもあらかじめNEXUS上に置いておけばPCにバックアップ可能なので、
という手順でもう一つのNEXUSか、別バンクへのコピー不可ファイルのコピーが可能になります。あまり便利だとは思いませんが。
上記方法以外でコピー不可ファイルを他のメモリーカードや別バンクにコピーするには、別ページで説明しているDouble Powerの方が必要になります。
NEXUS付属のフロッピーに入っているプログラム(DC Linker)を、ハードディスクの任意のフォルダにコピーするだけです。
ただし、ファイル群の中に「Smport.vxd」というファイルが見あたらない場合は、Explorerの設定を変更して隠しファイル設定の「.VXD(仮想デバイスドライバ)」を見えるようにする必要があります。
Windows95の場合、エクスプローラ(マイ コンピュータ)の[表示]→[オプション]を選択し、画面上の[ファイルの表示]欄のラジオボタンを「すべてのファイルを表示」に変更すれば、拡張子がVXDのファイルも見える(扱える)ようになります。
なお、付属のドキュメントに書いてある通り、E.M.S.のサイトに行くと最新プログラムがあります。2013年5月23日現在、DC LinkerはV2.3bが最新のようです(2000年末から変わっていません)。
DC Linker V1.3b以降では、ファイル単位で読み書き出来るようになっています。また、V2.0b以降では、ドラッグ&ドロップでの操作が可能になっている箇所があります。ただし、V2.02b以降だと、一部オートロードが働くので、操作性が簡略化されていますが、レスポンスは悪化している箇所が多いので、遅いマシンには厳しくなっています。
V2.3b以降では、1バンクあたり241ブロックにするDCMファイルに対応しています。以前のバージョンでも241ブロックのDCMファイルを取り扱うことが出来るようですが(全部調べたわけではありません)、残りブロックの表示に不整合が発生していました。
ちなみに、ソフト側で4Mbit版か16Mbit版かは判断してくれます。4Mbit版に付属しているプログラムも16Mbit版に付属しているプログラムも同じものでした。
4Mbit版の場合、神野遊夢さん作の「VMS Linker」を使った方がデータのバックアップも復旧も圧倒的に早くて使いやすいので、そちらの使用がお勧めでした。ただし、2013年5月23日時点では公開されていないようです。
なお、VMS Linkerは、Windows95系(Meなど)でも、WindowsNT系(XPなど)でも動きます。
NEXUS内のデータを、DC Linkerを使ってPCのハードディスクに保存する方法を記述します。
【注意】以下の記述は、DC Linker V2.0b以前のバージョンに対するものです。DC Linker V2.02b以降はオートロードが働く箇所があるので、一部操作が簡略化されています。
1バンクあたり241ブロックにした場合はDC Linkerを最新版にした方が無難です。もちろん、4M版の場合はVMS Linkerの方がずっといいです。
PCの電源がOFFの状態で、NEXUS付属のケーブルをPC側のプリンタ用パラレルポートに接続します。
ケーブルのもう一端をNEXUSに接続します。この時点でNEXUSが電源が入っているDCに接続してあることが望ましいです。
PCを立ち上げ、インストールしておいたDC Linkerを起動します(エクスプローラなりでダブルクリック)。
[DC Linker]という標題のプログラムが立ち上がったのを確認し、DC Linker側で読み込むバンクを設定します。その場合、画面上の[PAGE]という文字の右にあるスピンボタンでどのバンクにアクセスするか決定することになります。ただし、0が第一バンク、1が第二バンクになりますので注意してください。
なお、16Mbit版の場合、スピンボタンを押した時点で「PAGE」と表示されていた箇所に[16M set page]というボタンが出現します。アクセスするバンクをスピンボタン で決定した後、[16M set page]ボタンをクリックして初めて本当の決定をしたことになります。ここが4Mbit版と一番違うところなので注意してください。
ちなみに、DC Linkerを立ち上げた時点で[PAGE]欄の右の数字が「0」でかつ、NEXUSのLEDも0の場合は例外的にそのままで大丈夫です。
画面の[REFRESH SLOT1]というボタンをクリックし、4番で設定したバンクのデータを読み込みます。
なお、読み込み成功すると、画面の[SLOT1]という部分に、ドリームキャスト標準のファイル管理画面のようにアイコンとファイルサイズ(単位はブロック)が表示されます。
読み込んだバンクを丸ごとバックアップする場合は、SLOT1枠内を右クリックし、コンテキストメニューから[SLOT1 SAVE AS]を選択し、出てきたダイアログボックスによりファイル名を付けて保存します。拡張子はDCMになります。
また、バンク内のデータ一つ一つを単独にバックアップすることも可能です。ハードディスクに保存したいファイルのアイコンをダブルクリックすると[Saver Selected]というフォームが出てきますので、フォーム上の[EXPORT]ボタンをクリックすればダイアログボックスが出てきて名前を付けて保存をすることになります。なお、拡張子はDCIになります。
ちなみに、この画面で[Save BMP to]ボタンの方をクリックすると、アイコンをBMPファイルとしてPCに取り出すことが可能です。
PCのハードディスクに保存して置いたバックアップファイルを、DC Linkerを使ってNEXUSに戻す方法を記述します。
【注意】以下の記述は、DC Linker V2.0b以前のバージョンに対するものです。バージョンの違いによる注意点についてはバックアップ手順の方を参照してください。
バックアップの時と同様の手順でNEXUSとPCとを接続し、PCを立ち上げ、DC Linkerを起動します。
画面上の[PAGE]の右にあるスピンボタンで、データを入れたいバンクを選択し、[REFRESH SLOT1]ボタンをクリックします。
なお、16Mbit版の場合バックアップ手順でも書きましたが、スピンボタンで決定した後に[16M set page]ボタンをクリックする必要があります。
ちなみに、DC Linkerを立ち上げた時点で[PAGE]欄の右の数字が「0」でかつ、NEXUSのLEDも0の場合は例外的にそのままで大丈夫です([REFRESH SLOT1]ボタンを押す必要はあります)。
画面上の[SLOT1]枠内を右クリックし、コンテキストメニューから[SLOT1 LOAD DCM]を選択し、出てきたダイアログボックスにより、戻したいバックアップファイル(拡張子はDCM)を選択します。
ただし、この方法だとバックアップファイルの中身の確認は別手順でする必要があります。もちろんファイル名をきちんと判別出来るようにつけていれば問題ありませんが。
(1)・(2)はバンクまるごとのときと同様です。
画面上の[FILE]という枠内を右クリックし、コンテキストメニューから[OPEN DCM FILE]を選択し、出てきたダイアログボックスにより、戻したいバックアップファイル(拡張子はDCM)を選択します。
バックアップファイルがロードされて、[FILE]枠内にセーブされたファイルの一覧が出てきますので、戻したいファイルのアイコンをダブルクリックします。
[Saver Selected]というフォームが出てきますので、フォーム上の[COPYTO]ボタンをクリックします。さらに出てくる[COPY TO]フォームの[SLOT1]ボタンをクリックすると、NEXUS上にデータが戻ることになります。
また、[SLOT1]枠内を右クリックすると出てくるコンテキストメニューから、[SLOT1 IMPORT DCI]を選ぶことにより、DCIという拡張子で保存したファイルを単独でNEXUSに戻すことも可能です。DCIファイルをきちんと整理している人には、こちらの手順の方が簡単だと思います。
他にも細かいやり取りが可能ですが、主に使うのはこの辺だということで説明は省略させていただきます。基本的にWindowsアプリケーションを使い慣れた人なら、直感的に使いこなせると思います。
NEXUS発売後に追加された機能についての説明です。
ここまでの説明と異なる部分については、こちらの方が最新の事情ということになります。
2000年8月23日からE.M.S社のサイトで提供されている「241.dcm」(書庫名は241.ZIP)というDCMファイルをNEXUSの各バンクにインポートすることで、1バンクあたり241ブロックとして使用することができます。
4Mbit版、16Mbit版ともに可能です。詳しくはNEXUSのバンクサイズを大きくする方法にまとめておきましたのでそちらをご覧ください。
NEXUSをバックアップツールとして使って運用する場合、NEXUSはゲーム中操作しないコントローラ上のポートに差しておいた方が楽です。 そうすれば、PCと繋げておいてもケーブルが邪魔にならないでしょう。
ただ、ゲームを操作するのに必要なコントローラ上にデータを置かなければならないソフトでかつ、そのデータがコピー不可ファイルの場合は、上記のような運用は不可能になります。グランディア2やファンタシースターオンラインなどは可能ですが、デッドオア アライブ2のUPSファイルなどは不可能になります。
あと、Double Powerを使う場合はNEXUSにケーブルを繋げる必要がないので、上記運用法によって便利にはなることはないと思います。
KARAT社などからもDC用大容量メモリーカードが出ているようです。
KARATのものもNEXUSのように200ブロックを1バンクとして切り替えて使うとのことです。PCとの接続用に「ドッキングステーション」というソフトが付いていて、バンクまるごとはDCMファイル、セーブデータ単体はDDCファイルとして扱われます。
これによりPCに作成されたDCMファイルはNEXUS系の「DC Lnker」でも取り扱うことが可能でしたが、DDCファイルの方はNEXUS系では取り扱い不可能でした。逆に、NEXUS系で作られたDCI, DCMファイルの方ですが、こちらはドッキングステーションで両方とも取り扱うことが出来たそうです。説明書には、「ddc」「dci」「vmi」「vms」ファイルおよび、dcmファイルが扱えると書いてあるそうです。
ちなみに私はKARAT製のDC用大容量メモリーカードは持っていません。
環境設定メニューにも書きましたが、正規の品ではありませんので、NEXUSおよびDC Linkerを使ったことによりドリームキャストおよびモニタなどの接続機器、およびセーブデータなどが壊れたり調子が悪くなったとしても、基本的に自己責任にて対処する必要があります。そういうリスクを承知した上でのご利用をお願いします。
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