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最終更新日 2024年6月22日
VGAボックスとは、ドリームキャストをPC用モニタに繋げるためのユニットです。正確にはドリームキャストVGAボックス(HKT-8100)と言いまして、定価7,000円でセガから発売されていました。
解像度が480pで表示されるため、にじみが好きな人はともかく普通は綺麗になったと思うはずです。特に文字に関してはコンポジットやS端子に比べると断然見やすくて良いですね。あと、赤の発色の綺麗さが際立ちます。
以下は2024年現在メリットではなくなっていますが、当時はこのように言っている人がいました。
テレビだとどうしても、画面の端が欠けたりするのですが、PC用モニタならデフォルトで全画面見える状態になっているはずです。なっていない場合も、簡単に調節できるはずです。
これはDreamPassportでのメリットが大きいです。普通TVで使う場合「画面サイズ:ノーマル,フォントサイズ:小」ってところが精一杯だと思うのですが、PC用モニタの場合、画面サイズをフルサイズにしても端が見えないなんてことはないので、その分画面が広くなります。
DreamPassportでインターネットに繋げている人には結構大きいのではないでしょうか。私の場合、PC立ち上げている時ってTV点けていることが多いです。
VGAボックスを購入、利用する際に注意しなければならないのは全てのDC用ソフトがVGA対応しているわけではないということです。ソフトの帯の部分に「VGA対応」と記述されているソフトは問題ないのですが、記述がないソフトの場合はTVの方でゲームする必要がある可能性があります(備考参照)。
ただし、その場合もドリームキャスト本体からVGAボックスを取り外す必要はありません。なぜならVGAボックスからはアナログRGB端子からのVGA出力以外にも、コンポジットビデオまたはS端子での出力もサポートされているからです。
PCモニタ、TV、DC本体全ての電源が切れている状態で切り替えスイッチを非VGA側(TV)にしてから立ち上げればTVの方に映ります。
VGAボックス対応かどうかは極初期のソフトを除き、帯に基本書かれています。例外としては、DC本体と同時発売の「ペンペントライアイスロン」は帯にはVGA対応と書かれていませんが、実際には対応しています。
また、公式にはVGA非対応のソフトでも「ゲーム起動開始後、VGAボックスのスイッチを切り替える」ことや「ゲーム起動開始後、VGAボックスに繋ぐ」ことによりVGAでゲーム出来るタイトルもあります。たとえば「神機世界エヴォリューション」や「サクラ大戦(1, 2)」はVGAボックスのスイッチ切り替えにより、VGAモニタで遊ぶことが可能です。
ただし、保証対象外ですので、DC本体およびVGAボックス、モニタに損傷が起きたとしても自己責任にて対処する必要がありますのでご注意ください。
「爆裂無敵バンガイオー」などは、本当に非対応なので、上記の方法をとってもVGAモニタには映りません。
VGAボックス対応かどうかは、セガハード大百科 - ドリームキャスト > ソフトウェア一覧 にて調べることが出来ます。また、有志によるDCソフトVGA出力対応表(Internet Archive内)で多くのソフトの対応、非対応が記載されているので参考になります。
VGA(解像度:640×480ドット, 水平同期周波数:31kHz)対応モニタで、PC/AT互換機用ディスプレイに使われている「D-Sub3列15ピン型コネクタ」がモニタに付いている必要があります。
NECのPC-98シリーズなどで使われていた「D-Sub15ピン(2列)」の場合でも別売りの変換コネクタを使えば接続できますが、その場合の動作保証はしないと取扱説明書に書かれています。ただし、モニタ側がVGAをサポートしていれば実際には映るはずです。
DVIアナログモードに対応したDVI端子がついているモニタにも別売りの変換コネクタを使えば接続できるはずです。ただし、その場合の動作保証もされていません。
などです。
ドリームキャストをVGAボックスを使ってPC用モニタとTVに繋げる例を図にしてみます。
家庭用TV |(S端子またはコンポジットビデオ) DC−VGA BOX − オーディオ機器(Or ミニスピーカー) |(Mini D-Sub15ピン(3列)) PC用モニタ
RGB、オーディオ関係含めて、ケーブル類は全て別売りになっています。モニタ <-> VGAボックス間のケーブルはご自分のモニタの端子をよく確かめてから買いに行きましょう。たいていのPC/AT互換機用のモニタにはケーブルが付属しているので、別途購入する必要はあまりないと思いますが。
また、PCモニタは基本的にスピーカーが付いていないので、音声はAV機器なりラジカセなりに繋げてやる必要があります。VGAボックスからの音声出力はステレオミニジャックなのでアンプのAUX端子に繋げる場合でしたら、ステレオミニジャック<-> ステレオピンジャックのケーブルが別に必要です。他には、アンプ付きのミニスピーカーを直接繋ぐという手もあります。
VGAボックスはここまで説明したとおりにミニD-Sub15ピン出力ですが、複数のゲーム機器をgscartswなりのセレクターを使ってSCARTやアナログRGB21ピン(JP21)に集約したい場合は、VGA2SCARTなりの変換器を使うことで実現できます。
もちろん、ラグが極小であることが前提となります。私が使っているVGA2SCARTは1/100msまで測れるディスプレイ・ラグ・テスターで測ったところ、0.01ms未満のラグ(実質ZERO)でかつ、電源不要なのに暗くなることもありませんでした。後発の Rondo Products HD15-2-SCART もとても優秀な製品です。
下記スクリーンショットは、240p test suiteのカラーバーを上からVGAボックス、VGAボックス to VGA2SCART、RGC 480p SCART cable、Retro Access SCART cable(Multicore)、 Retro Access SCART cable(Fortraflex)の順に並べて比較できるようにしています。
VGA2SCARTやHD15-2-SCARTを国内仕様のRGB 21ピンコネクタに繋げたい場合は別途 JP21への変換コネクタ なりを用意してください。
ドリームキャストを今時のテレビやモニタにHDMI接続したい場合は、"セガハードをHDMI接続する方法"をご覧ください。
GAME TECH社製の「デミロ」というVGAボックス相当の機器もありましたが、音声にノイズが入ることがあると聞いています。
2018年現在、Amazonのマーケットプレイスなどで売っている「ドリームキャスト用VGAケーブル」には純正VGAボックスについている切替スイッチがないため、2番の備考で記載した手順でのいわゆる「裏対応」のVGA接続をすることができないと聞いています。切替スイッチ付きのものも売られていますが、いわゆる裏対応しているかや品質については知りません。
Retro Access(US)から出ている DREAMCAST 15KHZ/31KHZ 480I/480P SCART CABLE は480p対応しているため、VGAボックスとほぼ同等の画質が得られます。また、15kHzと31kHzの切り替えスイッチがあり、VGAボックスと同様にスイッチ切り替えによる非公式対応ソフトを480pで遊ぶことも可能です。ただし、SCARTケーブルであるため、国内仕様のRGB 21ピンコネクタに繋げる際には必ずJP21への変換コネクタなりを通してください。2021年9月時点では、私の知る限り市販品の中ではこちらが一番よいと思います。
Multicoreにするか、Fortraflexするかはお好みで。Multicoreの方が太くノイズ耐性は強いですが、Fortraflexの方がケーブルが柔らかく、取り回ししやすいです。なお、6ft(約1.8m)を超える場合はMulticoreしか選べません。
Retro Gaming Cables(U.K.)の「Sega Dreamcast PACKAPUNCH RGB 480p SCART cable」も前記Retro Accessの480p対応DC用SCARTケーブルとほぼ同仕様です。ただし、こちらは5.SCART変換で比較したように、VGAボックスよりやや暗いです。
Retro Gaming Cables(U.K.)の「Sega Dreamcast Component video YPbPr 480p cable」はPowered by RetroTINKなトランスコーター内蔵のコンポーネント・ビデオケーブルです。480p接続についてVGAボックスとほぼ同等の映像品質であることを確認済みです。