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最終更新日 2024年10月31日
環境構築時に使用するその他のツール類についてのページです。
トランスコーダーとは、RGBから色差(D端子/コンポーネント)に変換したり、逆方向の変換をしたりする機器のことです。通常コンバーターより高速なので、手持ちのゲーム機がモニタに直接繋げられないケースでコンバーターとトランスコーダーのどちらでも解消できる場合、トランスコーダーを使った方が基本有利です。以下にセガハードを含めた環境構築をする際、便利なものを記載しておきます。
RGB2COMP RGB to YPbPr TranscoderはRetroTINK-2XにSCART入力を拡張するトランスコーダーで、コンパクトで安価なのが魅力です。日本のアナログRGB 21ピンコネクタとは入力アサインが異なるので、JP21 to SCART変換ケーブル/コネクタを用意するか、各機種用のSCARTケーブルを揃えるかする必要があります。
COMP2RGB YPbPr to RGB TranscoderはRGB2COMPの逆の変換をおこなうトランスコーダーです。
OSSCにコンポジットビデオとS端子入力を拡張するためのトランスコーダーです。PAL60にも対応しています。
XSELECT-D4はD端子セレクターというだけでなく、D端子をアナログRGB ミニD-sub 15ピンに変換するのにも使えますし、RGB21ピンをD端子(D1)に変換するのにも使えます。このように、モニタに合わせて機器構成を柔軟にできるようになります。
CP-264はXSELECT-D4のような汎用性はありませんが、コンパクトなのが魅力です。水平同期周波数 15kHzにも対応しているので、XCAPTURE-1のミニD-sub 15ピンスルー出力から色差入力のあるモニタに繋ぐのにちょうどいいです。NTSCだけでなく、PALにも対応しています。
MEGA SgやアストロシティミニのようにHDMI出力しかされていないゲーム機をアナログRGBやコンポーネント(D端子)に変換してブラウン管テレビ/モニタに接続できるようにする変換器について、便利なものを記載しておきます。
RetroRGBでZERO-Lag(ラグが1ms未満)と紹介されている製品です。実際は0.1ms未満の超低遅延です。
こちらはHDMIからVGAへの変換用途です。Component用と同様に0.1ms未満の超低遅延です。ただし、手持ち機器だとHDMI to Componentの方が入力解像度的に相性よかったので、どちらかを選ぶときはコンポーネントの方が無難かもしれません。
HDMIビデオスケーラー(HDMI to HDMIスケーラー)とは、ざっくりいうとHDMI出力された映像の解像度を変更してHDMI出力しなおす機器のことです。業務用の非常に高価なものも含めてすごくたくさん種類があるので、当ページではごく一部だけしか扱えません。以下ではゲーム用途にちょうどいいもので自分が知っているものを紹介しておきます。
非常にコンパクトかつ低遅延(1ms未満)なビデオスケーラーで、ゲーム用途で使うときは1080pまたは1440p出力特化だと考えて差し支えないと思います(※)。アスペクト比を4:3にするRetroモードがあり、現行機種はもちろんとして、クラシックゲーム機をアップスキャンコンバータでHDMI出力したあとの後処理をするのにも向いています。私が試した範囲では、RetroTINK-2Xを4KテレビやWQHDモニタに接続して使うときに相性がよかったです。Open Source Scan Converter(OSSC)の出力解像度起因による相性問題もある程度は解消してくれるようです。
※ 1440pを受け付けられるテレビ/モニタ/キャプチャユニットに接続しているときは1440pにアップスケーリングされますし、1080pまでしか受け付けられない機器に接続している場合は1080pにスケーリングされます。ここは自動です。
アンチエイリアシング処理や深度調整をしつつシャープな画像に自動的に調整されるのは好みが分かれるかもしれません。本体からHDMI 1080p出力されている現行機を4KテレビやWQHD以上の解像度のモニタに繋げるときにはその手の機能が役に立つとは思うのですが。
1080pを4K/60Hzにするビデオスケーラーです。前身の "4K Gamer +" と異なり、Sharpnessを3段階選べるようになっており、"Low" だとレトロ/クラシックゲーミングでもいい感じになるとRetroRGBで紹介されていました。mClassicと異なり絵が変わった感はほとんどないですが、FHDを4KにすることしかできないのでFHD→4Kの変換が高速なモニタ/TVだと出番がなくなるアイテムでもあります。
DVDO社の過去製品であるiScan VP50 ProやDVDO EDGEにゲーム用に向いた低遅延Firmwareを載せるとOSSCの出力解像度起因の相性問題の多くが解消するような話は海外サイトで見たのですが、eBayで中古を入手するにしても未だに相場はそれなりですしバクチ度も高いですしでハードルは高いです。
XCAPTURE-1にミニD-sub 15ピンでRGB接続したり、水平同期周波数 15kHzに対応していてもアナログRGB 21ピン端子がないモニタにRGB接続するときに複合同期の分離をするための機器です。
マイコンソフト XSYNC-1は複合同期の分離をするだけでなく、映像と音声を2系統に分配できるツールです。プレイ画面が遅延することなくキャプチャするのに便利です。XSYNC-1 製品マニュアルにも書いてあるように映像出力の2系統はミニD-sub 15PINもDIN8ピンのいずれにも音声は載りませんが、独立した音声ケーブルでキャプチャ機器やアンプ類に接続するのが音質的にはよいのであまり気にする個所ではないでしょう。
使用機器の絡みで音声をRGBケーブルに載せたい場合、映像と音声をMIXするケーブルを用意する必要があります。Retro AccessのCustom Cables Builderを使用するのもいいですし、穴場開発事業団に特注するのもいいでしょう(私は以前穴場さんに頼んでいます)。
なお、2023年1月現在、私は15ピン出力をCRTに、スルー出力をOSSC Pro Liteに繋げています。XSYNC-1を買った当初は15ピン出力をXCapture-1に、スルー出力をFRAMEMEISTERに繋いでいました。
AxunWorksの複合同期分離専用のユニットです。電源付きなので安定して使えます。
その他、マイコンソフト SELECTY 21にサンワサプライ AD-D15NEKを組み合わせて使う方法や、クラシックPC研究会の CSync Separator(未所持)という機器を使う方法もあります。
上記XSYNC-1は2020年現在入手困難ですが、下記セレクターコーナーで紹介している、gscartswはアナログRGB(SCART)の分配、gcompswはコンポーネント(D端子との相互変換が容易)の分配ができますので、遅延対策でプレイとキャプチャで2系統わけたい人の助けになることでしょう。
D端子ならソニーからSB-RX300Dという分配可能なセレクターが出ており、私も数年使用していました。
VGAの分配だとPC関係の周辺機器として多数でているので2021年現在でもまだ入手しやすいはずです。
アーケード基板の場合、Axunworks JAMMA Extractorが分配するのに便利です。
分配器にミクロなレベルでもラグがないか気になる方は、ディスプレイ・ラグ・テスターで測ってみてはいかがでしょうか。Time Sleuth Display Lag Testerなら1/100msレベルで測れるので納得度が違います。
複数の機器をRGB接続したい場合、摩耗を考えなければ都度差し替えた方が映像・音声の品質的に有利なのですが、アナログRGB 21ピン端子は抜き差しにそんなに強い端子ではないので、現実的にはセレクターを使うことになると思います。現在購入しやすいものは以下が挙げられます。かつて基板屋で売っていたロータリータイプの3系統のRGB 21ピンセレクターは2021年現在、新品で販売している店を私は知りませんし、品質的に優れているとも思っていません。
eBayなどで海外のSCART用のセレクタは安価に見つかりますが、日本のアナログRGB21ピン(JP21)には変換なしでは使えないのが基本です(※)。ただ、有力な選択肢が多いのでケーブルをすべてSCARTでそろえた上で、海外のSCARTセレクタを使用するのも一つの手です。出力側でSCART to JP21変換をすれば、変換は1か所だけでJP21入力機器のセレクターとして使うこともできます。
※ 入力端子ごとにSCARTとJP21をスイッチで切り替えられる製品もあります
日本のアナログRGB21ピン(JP21)対応セレクターは選択肢が少なすぎるので、海外で高い評価を受けているSCART用の製品も紹介しておきます。入力も出力もSCART規格に揃える必要がありますが、gscartswは上記で紹介しているようにXSYNC-1とほぼ同等の機能もついており、とても優秀な製品です。
定価:240 USD
入力:SCART×8
出力:SCART×2
備考:自動切換 (先に入力されている方が優先)および2分配のためにUSB Type-Bでの給電が必要です(ACアダプタが付属します)。DIPスイッチにて同期信号の再生成も可能です。
別売り(15USD + 送料)のバンパーケースは12色から選べます
伝え聞くところによるとgscartswのSCARTメス端子は比較的緩いのが基本なようです。RGCのフラットタイプは例外として、手持ちのRetro Gaming CableやMulticoreタイプのRetro Accessの各種SCARTケーブルはSCARTコネクタの傾きとケーブル自体の重さで、半抜けしやすい弱点があります。穴場開発事業団のSCARTケーブルはここが強く、きっちりコネクタにはまってくれますし、ケーブル自体がしなやかなのでコネクタを引っ張って半抜けすることもありません。Retro AccessのFortraflexタイプも同様です。ですので、Out側はRGCのフラットタイプ、In側は穴場開発事業団のSCARTケーブル(変換ケーブルではありません)を使うか、In/OutともにRetro AccessのFortraflexタイプのSCARTケーブルを使うかすると安定して運用できると思います。
定価:220 USD
入力:SCART(JP21との切り替え可能)×8
gscartswには姉妹製品としてコンポーネント端子用の「gcompsw」も出ており、gscartsw同様にとても優秀なセレクターなようです。コンポーネント・D端子接続を分配したい人に特に向いています。
出力側でJP21 to SCART変換をすれば変換は1か所だけでOSSC Ver.1.6やRetroTINK-5X ProなどのSCART入力機器のセレクターとして使うこともできます。
以下、すべて販売終了しているようです。
穴場開発事業団は以下記載のとは別タイプのセレクターを出しているので気になる方は公式サイトを見るといいでしょう。
SELECTY 21の出力端子はD-sub15ピン(2列)ですが、Mini D-Sub15ピン(3列)に繋げたい場合、変換アダプタで対応できます。サンワサプライだとAD-D15NEが該当します。ただし、自分で試した範囲ではPALのゲームで同期が乱れたので、複合同期分離ということだとXSYNC-1に一歩譲るようです。
あと、公式サイトに出力端子のピンアサインが載ってないので、以下に記載しておきます。
ピン番号 | 信号 | |
---|---|---|
TOWNS (SOUND OFF) |
21PIN (SOUND ON) |
|
1 | R | |
3 | G | |
5 | B | |
7 | C-sync | Ys |
9 | NC | C-sync |
10 | NC | AUDIO L |
11 | NC | AUDIO R |
13 | NC | AV control |
14 | H-sync | |
15 | V-sync | |
2, 4, 8, 12 | GND | |
6 | NC |
同期整流・再生成するユニットは家庭用ゲーム機だと必要性は低いですが、アーケード基板で必要になることがあるので記載しておきます。これはアーケード基板の映像信号は規格に乗ったものではなく、システム基板ごとに独自の周波数に設定されていたりするからです。ブラウン管モニタはここの受付幅が大きかったために問題になりにくいのですが、デジタル機器はここが弱いです。システム基板が本格的に導入される以前(1985以前)のタイトルではより顕著です。
なお、以下のユニットは「特定基板にだけ役立つことがある」程度のものであり、すべてのゲームハード、すべてのゲーム基板に対して同期乱れを解消するようなものではありません。あくまで自分の環境で役立ったらラッキー程度の認識でいてください。
その他、前記、gscartswには "Enable sync regeneration"のDIPスイッチ(デフォルト:オフ)がついていますし、XSYNC-1は仕様として明言されていませんがスルーであるDIN8側も経験上同期整流されている認識です。
穴場開発事業団が出している、抵抗入りの21ピン延長ケーブルです。アーケード基板など、出力が強いゲームをキャプチャして白飛びするときにこれで対処できます。SELECTY 21の明るさ抵抗スイッチと同様の役割を果たしますが、こちらのケーブルの方がやや抵抗が弱いのでSELECTY 21の抵抗スイッチだと暗くなりすぎる場合はこちらの方がいいかもしれません。
アーケード基板をSCART/Mini D-sub 15ピンRGBで接続する際の減衰器です。
以下で軽くテストしています。ご参考までに。
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