3
トップ > ビデオゲーム > プレイ環境整備 > アップスキャンコンバーター > RetroTINK-2Xについて
最終更新日 2023年1月4日
ラインダブラー方式の超低遅延コンバーター「RetroTINK-2X」について以下で記載します。XRGB-mini FRAMEMEISTERの製造が終了したのと、S端子やコンポーネント(D端子)がモニタ/TVからなくなりつつある時点で貴重な製品でした。
私が稼働を確認したモニタはIO DATA LCD-RDT242XPBとBenQ RL2460HTとPixio PX329です。テレビは4K TV REGZA BM620Xで確認しています。また、マイコンソフト XCapture-1でのキャプチャができることも確認しています。
後継機であるRetroTINK-5Xが2021年5月1日(PST)に発売されたので、別ページ「RetroTINK-5Xについて」にまとめてあります。このページ(RetroTINK-2Xについて)は、RT2Xが最新機種だった頃の情報のまま残しておきます。
細かな製品仕様は、下記製品ページをご覧ください。
モニタ/TVには直接接続することもできますし、HDIMIビデオスケーラーに接続して解像度を上げてから接続することもできます。4KモニタやWQHDモニタに繋げるのでしたら、mClassicなりのビデオスケーラー経由で1440pにアップスケーリングするのもいいと思います。mClassicは1080pまでしか受け付けないTV/モニタやキャプチャユニット相手だと自動的に1080pモードになるのでFHDまでの製品にも使えて、RetroTINK-2XおよびRAD2Xと最高に相性がよいスケーラーです。mClassicがあればTV/モニタ側でアスペクト比の調整をできない場合にも対応できます。ただし、mClassicはアンチエイリアシング処理や深度調整をしつつシャープな画像に自動的に調整されるので、そこは好みが分かれるかもしれません。スケーリングのみができる後継機種も検討されているみたいですが、現時点では優先順位をつけた上で割り切るしかありません。
Micro USB(Micro-B)給電なのでスマホ類用のケーブルを使えばよく、ごく小さなノイズにまでこだわるのでなければOSSC Ver.1.6と兼用のACアダプタを買う必要はないでしょう。
初期バージョンです。2020年2月に2X-Pro, 2X-SCARTが発売された関係で、従来からの製品は"RetroTINK-2X"から"RetroTINK-2X Classic"に名称変更されました。Firmwareの更新のハードルが高いです。
なお、私が購入した際の送料は12.5ユーロでした。
※ サムネイルをクリックすると拡大画像が表示されます。
RetroTINK-2X Classicの高性能バージョンです。入力信号の自動選択がされるようになっています。PAL-Mなどの日本で特殊な入力信号に対応させたい場合はこちらがいいでしょう。Firmwareの更新も踏まえて、今後はこちらを第一に考えるのが無難です。
なお、私が購入した際の送料は18.99 USDでした。
※ サムネイルをクリックすると拡大画像が表示されます。
RetroTINK-2X ClassicのSCARTバージョンです。2X-Proの利点が必要なく、かつアナログRGBな機器を別途トランスコーダを使わずに繋げたい場合はこちらを。Firmwareの更新もしやすいです。
RetroTINK-2X Proからコンポーネント入力やスキャンライン合成などの機能を省略した廉価版です。USBによるFirmware更新もいずれ省略されるかもしれないと書かれています。
公式の商品ページの以下引用部に書かれているように、GENESIS(国内MDも間違いなく同様)のコンポジットビデオ接続は推奨されず、2X-Proや2X-SCARTの使用が推奨されています。
CAUTION: Sega Genesis and some models of PSOnes do not produce off-spec signals and may not display correctly. For Sega Genesis, we recommend using a RGB/Component cable with the RT2X-Pro or SCART. For PSOne, we recommend using a PS2 as there are no known issues.
RetroTINK-2X Proに480p入力機能がついたバージョンです。2020年8月に発売されました。ドリームキャストを480p接続したい場合や、全機種コンポジットビデオでの接続な人はこちらを。
なお、480p接続でなく、かつコンポジットビデオ以外で接続する場合は2X-Proの方に分があるようです。2X-Proと2X-Mのどちらを選んだ方がいいかのガイドは公式サイトの「Introducing the RetroTINK-2X Pro Multi-format」をご覧ください。
なお、私が購入した際の送料は18.99 USDでした。
※ サムネイルをクリックすると拡大画像が表示されます。
自分なりに感じたことを。厳密な比較はよそ様をご覧ください。なお、2X-MINIは試す気がないので下記の比較には含めないものとします。
以下はRetroTINK-5XやOSSC Proが出る前の時点で比較したものです。閲覧時点で情報が古くなっていてもご容赦ください。
OSSC Ver.1.6にはない、S端子、コンポジットビデオの入力端子がある(2X-Classic, 2X-Pro, 2X-M)
オプションのHDMI→VGAアダプタを使うことで、OSSCに接続することができる。これにより480pから解像度を上げることができる
これをするならmClassicなりのビデオスケーラーを使った方がよいので取り消しました。
超低遅延(ただし、モニタ/TVによっては高速なビデオスケーラーがないとロスすることがある)
ゲーム中に解像度が変わるゲームのときに、FRAMEMEISTERより画面暗転頻度が少なく、また画面暗転した場合も時間が短い。ここについては自分のテストした範囲ではOSSC Ver.1.6よりも強い
タイトーF3システム基板にも強い。CSync Cleanerなどの別機器なし、本体改造およびF3専用の設定値変更なしでも映像が安定して映る。
うちの環境(シグマAV7000 + RGB2COMP + RetroTINK-2X Pro + XCapture-1)では、RetroTINK-2Xに音を入れると音質が低下したため、F3のときは音を別ルートにした方がよさそうです。
設定できる箇所が少ないので単純
XRGB-mini FRAMEMEISTERと比べてとても安価。
アナログRGB入力がないため、アナログRGBが最高画質の機器を高画質で繋ぐにはRGB2COMPなりのトランスコーダーが必要となる(注1)
上記RetroTINK-2X SCARTという選択肢が追加されました。
実質480p固定と出力解像度が低い
解像度が低いのを解消するためにOSSCと組み合わせると、白飛び気味になる。もともとやや輝度が高め(受信側で調整すればよい話ではありますが……)
Firmware更新のハードルが高い(2X-Classicのみ)
2X-Pro, 2X-SCART, 2X-Mは通常のUSBコネクタ(Micro USB Micro-B)を使用してFirmware更新できます。
作り的に耐久性に難がある(2X-Classicのみ)
画面位置や同期などの細かな調整はできないので基本アーケード基板には向いていない
日本語情報が少ない
注1.アナログRGB→色差を行うトランスコーダーは手持ちだとXSELECT-D4は使えましたが、CP-264だと同期が乱れました。RetroTINKを手掛けるMike Chi氏が手掛けたRGB2COMPにより解消されました。
フレームマイスターはプログレッシブ入力時は約1フレーム(16ms)、インターレース入力時は約2フレーム(32ms)ものラグがあります。OSSC/RetroTINK-2X/RAD2Xは単体ではプログレッシブ/インターレース入力ともに1msを大きく下回るラグしかなく、STG/ACTを遊ぶときにはっきり差を感じます。手持ちの映像機器で1/100msまで測れるディスプレイ・ラグ・テスターを使って自動変換のロスも含めたラグを検証した結果も参考にしていただければと。
出力解像度が低いのは、別途mClassicなりのビデオスケーラーを使うことで解消できます。ディスプレイ・ラグ・テスターにて手持ち機器のラグを調査したところ、手持ち4Kテレビ(REGZA BM620X)は480pのソースを直接接続したときよりもmClassicで1440pにアップスケーリングした方が1msちょっとラグが少なくなる効果もありました。前記したように、mClassicとRetroTINK-2Xはとても相性がいいです。ただし、上記したように各種がフィルタリングされるので、そこの好みは分かれるかもしれません。拡大するだけの高速ビデオスケーラーでちょうどいいのがあったらそちらを使った方がいいでしょう。
日本語情報が少ないのを少しは解消する意味でこの文書を書いていますが、ぶっちゃけトラブル起きた時に英語サイトを見る気がない人は買わない方がいいでしょう。
いろいろ弱点のある機器ではありますが、FRAMEMEISTERと比較したときにラグの少なさからくる映像の滑らかさや暗転の少なさで完全に優っているので、レトロゲーム/クラシックゲーム好きな人に活用して欲しい機器です。ただ、後継機であるRetroTINK-5Xが出た現在では、ゲーミングモニタでの2msのラグの少なさにこだわる人でなければRT5Xの方を選んだ方が満足度が高いと思います。
一般家庭にはおそらくないケーブルが必要になるなど、ハードルはやや高めです。手順はRetroTINK2X - Firmware Upgradeをご覧ください。バイナリもそこからリンクされています。
RetroTINK-2X ProおよびRetroTINK-2X SCARTになり、通常のUSBケーブルでFirmwareの更新ができるようになりました。手順およびバイナリのダウンロード先は公式サイトをご覧ください。下記に自分用のメモも残しておきます。
FTDI D2XX Driversをダウンロードし、インストールします。ZIPを展開し、CDM21228_Setup.exeを実行します。インストール済みのときは省略してください。
RetroTINK Firmware update toolをダウンロードし、インストールします。ZIPを展開し、RT_FWUP.msiを実行します。インストール済みのときは省略してください。
2X-Proおよび2X-SCARTはRetroTINK-2X Pro and SCART Firmware Pageから最新版をダウンロードします。2021年1月11日時点だとVer.1.7が最新です。
2X-MはRetroTINK-2X Pro Multiformat Firmware Pageから最新版をダウンロードします。2021年2月11日時点だとVer.1.8が最新です。
本体のINPUTボタンを押しながらPCにUSB接続します。RetroTINKのLEDが赤色になっていることを確認してください。なお、ケーブルはUSB to Micro USB Micro-Bを使用します。その際は充電専用ケーブルは使わないようにしてください。
デスクトップのショートカットから、RetroTINK Firmware update toolを起動します。ショートカットを消してしまっている場合、"C:\Program Files (x86)\RetroTINK LLC\RT_FWUP"ディレクトリ配下にインストールされている"Cognionics Firmware Tool.exe"をダブルクリックしてください。
RetroTINK Firmware Updaterの"Search"ボタンを押すと、Device欄に"FT232R USB UART"と表示されます。これが表示されない場合は、正しく接続できているかを確認してください。充電専用ケーブルだとデバイスを認識してくれないのでデータ転送できるケーブルを使用してください。
RetroTINK Firmware Updaterの"Load HEX"ボタンを押し、手順3でダウンロードしておいた最新FirmwareのHEXファイルを読み込みます。
RetroTINK Firmware Updaterの"Flash"ボタンを押して出てくる確認ダイアログでOKを押すと、ファームウェアの更新が始まります。数十秒後に"Firmware update complete!"のダイアログが出たら完了です。間違って中断した場合は、手順4からやり直せます。
Input、Filter、Modeを適当に切り替えて試せる範囲ですのでお好みの設定を探してみてください。参考までに、私はフィルターの類はあまり使わない派です。
firmware Ver.3.1までだと入力と出力のモードがそれぞれ3種類あるだけです。シンプル。firmware Ver.3.2からは入力項目が増えています。
Input Switchを押すことで入力モードを切り替えます。
コンポーネント - デフォルト
S端子
コンポジットビデオ
コンポーネント - デフォルト
S端子(PAL、NTSC)
S端子(PAL-60)
コンポジットビデオ(PAL、NTSC RETRO)
コンポジットビデオ(PAL-60
コンポジットビデオ(NTSC VIDEO)
Smoothing On/Off Switchを押すことで、以下の3つのモードを切り替えます。この設定は保存され、次回電源オン時に自動的に割り当てられます。
モード1(全LEDオフ): RGB→色差変換のみ
モード2(2xLEDオン): 480pへの変換(スムージングオフ)
モード3(全LEDオン): 480pへの変換 + スムージングオン
RT2X-MはFirmware V1.2から480p入力のときにModeスイッチをLine2xにしておくと、疑似444サンプリングモードで処理されるようになりました。このときのランプの色は紫です。ただし、自分の環境だと起動直後は映りません。その場合、いったんModeスイッチをPass-thruにして画面を映してからLine2xに切り替えてください。
また、V.1.5からはModeスイッチをLine2xにしてある状態で、Filterボタン押下でHi-res 480p 疑似444サンプリングモードで出力できるようになりました。Hi-res 480pの方は特殊な解像度であり、入力機器側の受付可能解像度とマッチしないと映らなくなるので、永続的な変更はされません(電源オフでリセットされます)。Hi-res 480モードのときのランプの色は青です。
RT2X-Mリリース時の480p対応モードである "Pass-thru"、V1.2からの "Pseduo-444 mode"、 V1.5からの "Hi-res 480p 444 mode"の3つを比較した動画を、RT2X-M 映像サンプルに上げてあります。
簡単なテスト動画です。
第一弾として、マスターシステム、メガドライブ、セガサターン、ドリームキャストでテストした動画を上げています。
YouTubeに上げているものも同じですが、YouTubeの仕様で480pも含む低解像度の動画は30fpsに落とされてしまうので、ニコニコ動画での閲覧をお勧めします。
第二弾はメガドライブをコンポジットビデオ、S端子、RGB to CompornentでRetroTINK-2Xに接続テストをした動画です。
YouTubeに上げているものも同じです。
RetroTINK-2X Test at MEGA DRIVE, Composite, S, RGB to Compornent
こちらも簡単なテスト動画です。
第一弾として、マスターシステム、メガドライブ、セガサターン、ドリームキャストでテストした動画を上げています。
YouTubeに上げているものも同じです。
サンダーフォースIVをmClassicで1080pにスケーリングしつつYouTubeでライブ配信した動画です。
Thunder Force IV (MEGA DRIVE Original Console + RetroTINK-2X Pro + mClassic, JP Normal)
アクション、シューティングゲーム向きアップスキャンコンバーター各種をシグマAV7000 + ファンタジーゾーン(SYSTEM16B基板)でテストして比較できるようにしています。
YouTubeに上げているものも同じです。
FRAMEMEISTER, OSSC, RetroTINK-2X(with mClassic) compare (SYSTEM16B: 240p)
こちらも簡単なテスト動画です。
いつも通り、マスターシステム、メガドライブ、セガサターン、ドリームキャストでテストした動画を上げています。
YouTubeに上げているものも同じです。
RT2X-Mリリース時の480p対応モードである "Pass-thru"、V1.2からの "Pseduo-444 mode"、 V1.5からの "Hi-res 480p 444 mode"の3つを比較した動画です。
YouTubeに上げているものも同じです。
他にも、YouTubeで「RetroTINK」で検索すれば大量にサンプルが出てきます。
©2019-2021 MDBBSの残党