最終更新日 2023年10月3日
セガの携帯ゲーム機、ゲームギア(キッズギア)の周辺機器や、環境設定についてのコーナーです。
【注】以下の文の中で、単に「ギア」と表記した場合、ゲームギア、キッズギア両方を指していることとします。どちらか片方にしか該当しない項目の場合、それぞれ「ゲームギア」「キッズギア」のようにフル表記します。
ギアにはメガドライブ1用のACアダプタが使用できます。型番は「SA-160A」または「SA-160A-1」です。詳しくはメガドライブの方のページを参照してください。
2021年現在だと、音楽用のACアダプタPOWER-ALL PA-9Sがお勧めです。
また、セガ・マークIII、MASTER SYSTEM用のACアダプタである「SA-150A」「SA-150A-1」もギアには使えます。キッズギアの箱には、「SA-160A」の方しか書いていませんが、取扱説明書の方にはセガ・マークIII/マスターシステム用のACアダプタも使える旨が記述されています。
ちなみにギアを自動車内で遊ぶために「カーアダプタ」なるものも発売されています。「カーアダプタ(HGG-3004)」と「カーアダプタ2(HGG-3016)」の二種類が出ていますが、違いは知りません。
北米用ゲームギアはメガドライブ2用のACアダプタ「SA-190」を使用するようです。
単三アルカリ乾電池6本で3~4時間程度しか持たないギアですから、携帯使用する際は別の電源を用意しておきたいところです。で、セガから「バッテリーパック」「パワーバッテリー(HGG-3017)」の二種類、日商岩井インフォコムズ(infocom)というサードパーティーからも一種類ギア用バッテリーが発売されています。ですが、現時点で一番手に入れやすいであろうパワーバッテリーにしてもクイック充電2~2.5時間で約3時間稼働という性能ですから、持ち運びすることも考慮すると、今となってはエネループなどのニッケル水素充電池を利用した方が経済的だと思います。充電池ゆえにセガからは推奨されない使用法ということになりますが、大きな問題は起きないと思います。当然、その場合自己責任にて対処する必要はありますが。
セガ公式Twitterの中の人の検証によると、2021年時点ではPanasonicの "エボルタNEO" だと8時間前後持つようになっているようです。技術革新を感じますね。
ギアはセガから発売されている「TVチューナーパック(HGG-3001)」または、「TVオートチューナー(HGG-3015)」を使用することで、TV放送(VHF,UHF)を受信することが出来ました。なお、後から発売されたオートチューナーの方が使いやすかったです
また、両方ともミニジャックでの映像・音声入力端子を持っているので、ギアを外部モニタとして使うことも出来ます。AV機器とギア用チューナーとを繋ぐには、セガから出ている「AVケーブル(HGG-3006)」を使えば良いのですが、一般用「ステレオミニジャックtoステレオピンジャックケーブル」でも大丈夫です。ただし、一般用のケーブルの場合、ピンジャック側が赤白だとすると、白の方がビデオ映像、赤の方がモノラル音声になるので、注意してください。
サターンなど他のゲーム機器の標準AVケーブルは、音声・映像ともにピンが”オス”ですし、ギア用AVケーブルのピンも”オス”ですから、両者を繋げたい場合は「ピンジャック延長用コネクタ」か、AV機器セレクターを使う必要があります。延長コネクタは、一般のAVケーブル売場で1,000円程度で売っていると思います。
あと、カーアンテナ(HGG-3011)も発売されていたので、車内TVとして使う場合に重宝したそうです。
地上波テレビがデジタル化(地デジ化)して、2013年以降はTVチューナーとしては使えなくなりました。
よく「ギアは画面が見辛い」と言われますが、それを少し解消する機器が出ています。セガから、「ビッグウィンドー(HGG-3012)」と「ビッグウィンドー2(HGG-3014)」、サンソフトから「ワイドギア」と計三種類出ていまして、レンズを使って画面を拡大するのですが、結構見やすくなります。
ただし、ワイドギアはゲームギア・キッズギア両方に使えるのですが、「ビッグウィンドー」「ビックウィンドー2」の方はキッズギアには使えないようです。
ギアはハード・ソフト共に、日本・海外の違いはほとんどないようです。つまり、海外ギア用ソフトを国内ギアで遊ぶことも、国内ギア用ソフトを海外ギアで遊ぶことも出来ます。また、据置ハードと異なり、ギアは60Hzに統一されているようで、欧州版で日本用ソフトを遊んでもテンポの違いはありませんでした。ただし、リージョン設定自体はあるようで、同じソフトでも国内向け本体と海外向け本体とで動作が変わるゲームがあることを確認しています。
また、ハードに関してですが、国内用と北米用ではACアダプタが異なります。北米用ギアのACアダプタは、メガドライブ2用の「SA-190」の方を使用します。詳しくはメガドライブの方のページを参照してください。欧州用ゲームギアは日本用と同じものが使えます。
海外のサードパーティから、「マスターギアコンバーター (MASTER GEAR CONVERTER)」というギア用周辺機器が出ていました。これは、海外マスターシステム用ソフトをギアで動かすことが出来るようになる機器です。なお、セガ未認可の製品のようです。ただ、国内マスターシステムと海外マスターシステムとではカートリッジの差込部の形状が物理的に異なるので、その変換アダプタなり変換ハーネスなりがなければ、国内マスターシステムソフトは遊べません。ご注意ください。
欧州用ゲームギアでマスターシステムコンバーターを使用しても前項で記述したように60Hzのテンポになるため、欧州向けSMSソフトをPAL SMS実機やPAL MD実機で遊んだ時と比べて1.2倍の速度になります。他地域のゲームギア本体でも同様です。
2021年に入ってから、MS2GG MASTER SYSTEM ADAPTER FOR THE GAME GEARという製品も新たに出ています。機能的には従来品と変わりありません。
ギアを持ち運びするのに便利なキャリングケースが日商岩井インフォコムシステムズ株式会社からinfocomブランドで発売されていました。
の二種類で、ソフトが6本いっしょに入るようになっています。DXの方は同じくinfocomブランドで発売されていたバッテリーにACアダプタ、カーアダプタなども入るスペースの分大きくなっています。
ちなみにこのキャリングケース、NOMADを持ち運ぶのにもちょうどいいので、どちらかというと私の場合そちらで重宝しています。
ゲームギアの方向キーは製造時期やリージョンにより異なる部品が使われており、日本で広く普及していた本体だと方向キーがぶかぶかした感触でしたが、欧州版(時期不明)や北米版後期の本体についている方向キー&ゴムだとぶかぶか感がほぼなくなり、個人的には大きく操作感が向上していると評価しています。見た目で既に違うので、写真を上げておきます。
なお、北米版だからといって必ず操作感のよい方向キーがついているという保証はできません、おそらく後期は写真のように鉄球が入っているタイプになっていると思いますが断定はできません。北米版では型番が変わる前の本体でも鉄球タイプの個体をジャンクで引きましたが、外から見分ける方法を私は知りません。
上記写真一番右のretrosixのゲームギア替えボタンの操作感も国内用本体付属の方向キーよりも上下左右の操作についてははっきり良いと感じました。ただし、斜め入力については上記写真のEU/USと比べるとやや入れにくいと感じたため、EUの方向キーに戻しました。EUとUSのどちらを好むかも含めて、個人の好みが分かれるところだと思います。欧州や北米のジャンクの本体から操作感のよい方向キー + ゴムを探すよりもretrosixの方向キーを買った方が安価かつ確実なので、国内用本体の方向キーのぶかぶか感が苦手な人はとりあえず頼むのはありだと思います。
ゲームギアの方向キーおよび1、2ボタンの替えゴムとスタートボタンの補修部品が海外では販売されています。U.K.のretrosixのオリジナル製品もありますし、eBayでも常時出品されていますので、現時点でボタンの利きが悪くなっている人はもちろん、将来に向けて購入しておくことをお勧めします。
ゲームギアは経年劣化で動かなくなっている人が多いようです。これはキャパシタの交換で直ることが多いようですが、痛みが酷くなんともならない場合もあるようなので "直ったらラッキー" くらいの気持ちで臨むのがいいと思います。
Web上の以下のリソースを参照して直すのもいいですし、サヤマコム や 小さなレトロゲーム機の修理屋さん を利用するのもいいでしょう。
レトロゲーム漫遊記 : episode2様 : ゲームギアの修理(コンデンサ交換だけ)
Rock'n ゲーム三昧 : ゲームギアの電源不良を修理すべく、コンデンサを交換してみた
液晶画面が暗くなったり見づらくなっている場合は、液晶パネルの交換が有効です。次項のTFT換装を利用するといいでしょう。
前記した消耗部品以外にもretrosixには修理用のパーツ類が揃っています。試しにスピーカーの交換をしてみましたが、こもった感じがかなり解消しました。
ゲームギアにTFT液晶を載せるための同人ハードGGLCDなどを利用して液晶モニタをTFTのモニタに換装できます。GGLCDならVGAもしくは15kHzのアナログRGB出力も可能にします。以前は秋葉原 三月兎 1号店で売られていました(※ リンク先はInternet Archiveです)。2021年2月現在だと家電のケンちゃんでGGLCD Rev.3が売っているのでそれを利用すればよいでしょう。GGLCD Rev.2以降はIPS液晶に対応し、画面の綺麗さがまた一段アップしました。
以前はBEEP秋葉原でGGLCD組み込み済み本体が売られていたのですが、現時点では販売されていません。後述のMCWILL VersionやMagic Screenを利用するのも手です。
経年劣化で液晶画面に寿命がきたゲームギアを生き返らせるのに非常に便利です。と言いますかゲームギアの最大の弱点であったSTN液晶からTFT液晶に変わると、本当に世界が変わるというレベルでゲームが遊びやすくなりますので、まだ寿命がきていない人も換装をお勧めします。
なお、GGLCD以外にも海外で同様のコンセプトの製品があるので、そちらを使用した画像も上げておきます。
上記で使用しているパーツはVideogamePerfection.comの「Replacement Sega Game Gear LCD Screen and VGA out mod (McWill version)」で購入できます。海外サイトだと換装サービスもおこなっているようですし、retrosixのようにフルカスタム済み本体を売っているサイトもあります。
ゲームギアソフトは特殊なネジが使われているため、カートリッジを開けるためには「DTC-20」というドライバーが必要です。
私はJR秋葉原駅の電気街口から出てすぐにある「田中無線電機(株) 工具部・半導体部」で買いました。ネット通販でも普通に買えると思います。
ゲームギアカートリッジの経年劣化に事前対処するには、バックアップするのが有効です。吸出しするための機器について、GGダンパー(GG Dumper)についてにまとめておきました。
上記ページに他の同様の機器についても記載してあります。
前項でバックアップしたROMイメージやHomebrew gamesを実機で使う方法について、EverDrive-GGについてにまとめておきました。
Analogue社のFPGAを使用したメガドライブ互換機「Mega Sg」にオプション「Mega Sg Cartridge Adapter Set」を使用することで、ゲームギアのソフトが遊べるようになりました。なかなかに快適です。
Analogue社のFPGAを使用した携帯ゲーム機「Analogue Pocket」はゲームギアに対応しているため、こちらでもゲームギアのソフトを遊べるようになります。2021年12月に発売され、なかなかに好評なようです。なお、ゲームギアソフトを遊ぶには通常は別売りの「Game Gear Adapter」を使う必要があります。
Firmware Ver.1.1betaからはopenFPGA版Game Gear Coreを使用すれば、DumpしておいたROMイメージをmicroSDカードから読み取って遊べるようになっています。コアの精度にどのくらい差があるかは把握していません。
Analogue Pocketは同社のAnalogue Dockを使用することにより、HDMI接続でテレビやモニタに映すことができます(最大1080p)。コントローラーは8BitDoのBluetoothや2.4GHz(※)の無線コントローラやUSB有線接続でのxinput対応コントローラも使えますが、すべての製品が使えるわけではないことに注意したいです。無線なら8BitDo、有線ならXbox系コントローラが堅いでしょう。
Firmware Ver.1.1betaから8BitDoの2.4GHzタイプにもドングルなしで対応するようになりました。ただし、Analogue Dockで使うにはコントローラー側を8BitDoのAnalogue Dock用のファームウェアに書き換える必要があります。
届いたときの様子はweblogの Analogue Pocketの備忘録 にメモしてありますので興味のある方はそちらもご覧いただければと。Master Gear Converterの類も使えます。
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