15kHzモニタの種類

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最終更新日 2024年10月31日

はじめに

レトロな家庭用ゲーム機の多くは水平同期周波数が15kHzでRGB出力をしています。また、ほとんどのレトロなアーケードゲーム基板も同様に水平同期周波数が15kHzのモニタを対象にした出力をしています。そこで水平同期周波数が15kHzの市販されている(いた)モニタについて記述いたします。なお、基本的にアナログRGB接続することが前提になっていますのでご注意ください。

なお、以下ではブラウン管モニタ/テレビも紹介していますがメーカーから使用中止のお願いが出ているような古い製品も含んでいます。基本電源プラグをコンセントに差しっぱなしの運用は避けたり、キャパシタ交換したりの対策を取る前提で紹介させてもらいます。

液晶テレビ/モニタはブラウン管に比べたときよりも表示遅延(ラグ)が大きいことは前提知識とさせていただきます。そこについては以下では触れません。

同期が乱れる場合は同期整流することで対処できることがあります。

1.アーケード業務用の部品を利用したブラウン管モニタ

アーケード基板用のモニタです。むき出しのものもありますが、家庭に置く場合非常に危険なのでお勧めいたしかねます。キョーワインターナショナルやセットアップなどのいわゆる基板ショップがオリジナルで出していたケース付きのモニタでしたらその点安全です。その分割高にはなりますが、安全には代え難いと思います。特にお子さまがおられる方や、ペットと同居している方は絶対にむき出しは避けましょう。冗談抜きで命に関わりますので。

業務用系のモニタの特筆すべきところは縦置き可能 な点です。アーケード基板やサターンで縦画面縦スクロールシューティングを遊ぶときに特に強みを発揮します。

キョーワモニタ

と三種類ありました。詳しい情報は、ベーマガやゲーメストのバックナンバーで当時の広告を見るくらいしか手段がないのが苦しいです。

ただ、私は18インチ中古を持っていたのですが、「15ピン入力が付いていない」ということと「CRTの一部にカゲがある」ことなど少し不満をもっていました。やはり中古モニタを直接状態を確かめられない通販で買うのは、避けた方が良いのかもしれません。ただコストパフォーマンスは抜群だと思いますので、予算と相談してバクチを打つのも立派な手だと思います。

キョーワはモニタ販売を始めた頃は、25インチ新品モニタを取り扱っていて、それは21ピン・15ピン両対応で68,000円だったのです。今考えるとそれが一番良かったのかもしれません。ちょっと私の場合には大きすぎますが。

セットアップで売っていたモニタ

2003年当時はシールドケース入りで21インチの新品モニタが売られていました。2003年当時は

となっていました。その後、14インチと20インチのモデルを扱っていました。

2.PC用ブラウン管モニタ

一昔前のPC用モニタには15kHzモードをサポートしているものが多くありました。X68kやFMタウンズ、MSX用のモニタなどです。MSX用の場合は21ピンが、X68kやFMタウンズ用の場合は15ピンが付いています。NECもテレビチューナ付きモニタのPC-TVシリーズを出していましたが、そちらは21ピン・15ピン両方サポートしている機種と、15ピンのみの機種がありました。

短所としては縦置きには向いていないというのがあります。もちろん出来なくはないのですが、故障や場合によっては火事の原因になるので避けた方が良いでしょう。

下記で紹介しているものを除いた通常のPC用モニタは15kHzはサポートしていませんが、31kHzのVGAモードは通常はサポートしていますので、アップスキャンコンバータを使えば映すことが可能です

ドリームキャストはVGAボックスという周辺機器でPC用モニタに接続出来ますが、そちらの話はドリームキャストコーナーで記述させていただきます。

15kHzモニタ例

XMD-3の箱とXRGB-1の説明書からの転載を含みます)

XMD/XRGBシリーズで映るモニタ

NEC
PC-KD861, PC-KD871, PC-KD862S, PC-KD863S, PC-KD863G, PC-TV351, PC-TV352, PC-TV354, PC-TV452, PC-TV453, PC-TV454, PC-TV455, PC-TD151, PC-TD211, PC-TM151
SHARP
CZ-600D, CZ-601D, CZ-602D, CZ-603D, CZ-604D, CZ-605D, CZ-606D, CZ-607D, CZ-612D, CZ-613D, CZ-612D, CZ-613D, CZ-614D, CZ-615D, CZ-860D, CZ-880D, CU-14TV, CU-14HD, CU-15M1
FUJITSU
FMT-DP531, FMT-DP532, FMT-DP535, FMT-DP536, FMT-DP5351, FMT-DP5361, FMT-DP8311, FMT-DP8711
SANYO
CMT-148HMB, CMT-A15HM, CMT-A20MM
SONY
KX-13CD1

XMD/XRGBシリーズで映らないモニタ

15kHzをサポートしていてもメガドライブなどが映らないモニタの例としては以下が挙げられます。

SHARP
CU-21CD, CU-21HD
FUJITSU
FMT-DP533, FMT-DP534

3.モニターテレビ(ブラウン管)

ソニーのプロフィールプロ(KXシリーズ)などのことです。

プロフィールプロは確かに画質は最高ですし、縦置きも可能なのですが、大型のものしかないので気軽に縦横変えられる大きさではないのと、非常に高価なのが欠点です。

ただそれだけの価値があるという人もいますのでお金に余裕がある人でしたらチャレンジしてみる価値があるかもしれません。

もちろん24kHzやVGA(31kHz)はサポートしていませんので、セガのシステム24やModelシリーズなどには不向きです。

4.WEGA(ブラウン管)

ソニーから出ているテレビ、WEGAシリーズにはプレイステーション用のRGB端子(AVマルチ入力端子)付きのものが出ていました。プレイステーション用のRGB21ピンケーブルと21ピンRGBセレクターがあれば他の機種(含むPCB)でも使えます。また、GAME TECH社から出ているケーブルを使っても接続出来るようです。

当然ですが、縦置きには不向きです。

5.放送業務用モニタ

ソニーのBVM/PVMシリーズやビクターのDTシリーズなどの中古が2010年以降はヤフオクなどで安価に買えるようになったため、ゲームに使っている人も多くなりました。基本RGBS入力がBNC4なのは注意する必要がありますが、Retro AccessRetro Gaming Cablesなどで各機種用のケーブルやJP21/SCARTからの変換ケーブルを購入できるので家庭用ゲーム機の場合はそこの心配をする必要性は低いです。コンポジットビデオ入力もRCA to BNC変換プラグを使う必要があります。S端子はそのまま繋げます。

基板にもよりますが、アーケード基板用途だと画面上部の同期ずれが比較的発生しやすいです。同期整流するユニット類はなるべく数多くの種類を揃えておいた方がいいでしょう。

6.その他ちょっと普通じゃないブラウン管テレビ

一昔前のMSX対応のテレビなんかでアナログRGB21ピンをサポートしているものもありました。専用モニタに比べてあまり画質は良くないものが多いようです。

7.アーケード業務用液晶モニタ

芝商事やmobile-accessory-netなどで売られていたアーケード業務用の液晶モニタで15kHz対応しているものがあります。VESAマウンタがついているのものは、PC用のモニターアームやモニタースタンドと組み合わせればよいでしょう。

以前はジーフロントでも店頭で業務用液晶モニタを取り扱っていました。

8.家庭用液晶モニタ

民生品の液晶モニタでも稀に15kHz入力を受け付けるものがあります。仕様として公開されていて15kHzを受け付ける製品も、隠しで対応しているものもあります。さすがに調べきれないのでググってくださいとしか言えません。国内製品だとGORRY's Homepageさま内のレトロPC用ディスプレイ報告が情報多いです。

15kHz対応しているといってもアーケード基板用途だと癖のあるものは映らないことがあるし、OSSC Proのようなアーケード基板に強いアップスキャンコンバーターを使った方が対応度は高いというのは知っておいて欲しいです。ただ、イベントなどに持ち込むときにはコンバーターが不要なのが活きることでしょう(荷物的な意味で)。

最近の製品で私が知っているものを3点だけ紹介しておきます。

cocopar TX133019 (Internet Archive内)
WIMAXIT 11.6インチIPS モニター
China製 9.7インチIPS モニター
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